卵巣嚢腫腹腔鏡手術の入院期間とは?
ここでは、「卵巣嚢腫腹腔鏡手術の入院期間」
についてお話します。
20代から30代の女性に多い
卵巣嚢腫は、近年傷跡の目立ちにくい
腹腔鏡手術での摘出が広まってきています。
腹腔鏡手術にはさまざまな
メリットがありますが、
仕事や育児に忙しい
この世代の方にとっては
「治療のための入院期間が
どれくらいになるのか気になる」
という方がとても多いです。
今回は腹腔鏡手術のための
入院期間がどれくらいになるのか
ご紹介します。
腹腔鏡手術のメリットとは?
卵巣嚢腫の手術は開腹手術と
腹腔鏡手術の2種類があります。
開腹手術は昔から行われてきた
術式で、腹部を10センチほど切開して
開創器というもので傷を開いて
視野を確保して行う手術です。
視野が広く、突然の出血にも
しっかりと対応できるため
安心な術式です。
卵巣嚢腫が大きい場合には
開腹手術での摘出が選択されます。
しかし、開腹手術は傷が大きいため、
術後の傷の痛みが強く、
術後の創治癒の過程で、
手術部位とほかの組織との癒着が
起きやすいことがデメリットです。
術後の回復に時間がかかるため、
入院期間が長くなり、
入院費もかさみます。
一方で腹腔鏡手術は、
お腹に4〜5か所の
小さな穴をあけて行う手術です。
腹腔鏡と呼ばれる内視鏡と特殊な
手術器具をその穴から入れて、
カメラで映し出された
映像を見ながら手術を行います。
傷が小さいために手術の後の
傷の痛みが少なく、周囲の組織との
癒着も少なく、回復が早いために
早期で退院が可能となる場合が多いです。
しかし、腹腔鏡手術は内視鏡専門医の
いる病院、そして内視鏡設備の整った
病院でしか行うことができません。
そして、カメラでしか術野を確認
できないために急に出血などの
トラブルが起きた場合、
目視で出血点を探すことができず、
止血の対応が遅れてしまうことがあります。
摘出するべき嚢腫部分がカメラに
うまく写らないと、取り残しが
起こる場合もあるため、
内視鏡医の技術が必要になります。
また、腹腔鏡手術はメリットが多いため、
希望する患者の数が多く
すぐに手術することが
できない場合もあります。
病院によっては半年以上
手術を待つ場合もあります。
腹腔鏡手術の場合の入院期間とは?
前述したように、腹腔鏡手術の
場合は短期入院で治療が可能です。
状態や病院にもよりますが、
一般的には3泊4日ほどの
入院で治療が可能です。
・手術前日
だいたいの病院は
手術前日に入院となります。
病棟内のオリエンテーション後に
入院中の流れや手術についての説明、
自宅で内服している
薬の確認などが行われます。
手術を担当する医師からの説明や
麻酔科医の訪問もあります。
手術当日と翌日は入浴できない場合が
多いので、前日のうちに入浴を
済ませておくとよいでしょう。
手術前日の夕食以降は絶飲食となります。
・手術当日
手術当日は飲食ができませんので、
点滴で水分と栄養分の補給が行われます。
手術室入室前に排尿を済ませて、
手術室に入室したら
全身麻酔で眠ることになります。
眠った後には尿道留置カテーテル
という管が入り尿はその管から
尿バッグにたまります。
手術後はベッド上安静となりますので
起き上がることはできません。
・手術翌日
翌日の朝から食事が開始になります。
午前中のうちは坐位まで、
午後からは看護師付き添いの
もとで歩行が可能です。
尿道留置カテーテルは歩行が
可能になったら抜去し、
トイレでの排尿が可能となります。
抗生剤の点滴が入ります。
・手術後2日目
状態が良ければ
退院となる病院もあります。
退院後の生活や、
次回の受診日についての説明があります。
シャワーに入る許可が出ます。
・手術後2日目以降
状態をみて退院を検討していきます。
このように、腹腔鏡手術は
短期入院となりますが、
退院後も看護師や医師から説明された
注意点を守って生活する必要があります。
退院後に手術した部位に異常があった
場合にはすぐに受診するようにし、
体に無理のかかることはしないようにしましょう。