卵巣嚢腫腹腔鏡手術の痛みとは?
ここでは、「卵巣嚢腫腹腔鏡手術の痛み」
についてお話します。
卵巣嚢腫の手術は開腹手術と腹腔鏡手術の
2種類ありますが、傷口が小さく
術後の回復が早いのが腹腔鏡手術です。
ですが、手術と聞くと術後激しい痛みが
あるのではないかと心配になる方が多く、
病院では痛みへの対応が重要視されています。
今回は卵巣嚢腫を腹腔鏡で手術した場合の
痛みについてご紹介します。
腹腔鏡手術の特徴とは?
腹腔鏡手術とは内視鏡手術の1種です。
腹腔鏡という特殊なカメラと器具を使って
腹部にあけた4〜6か所の
穴から卵巣嚢腫を摘出します。
大きな卵巣嚢腫は取り出すことが
できませんが、小さめの卵巣嚢腫の場合には
腹腔鏡手術が選択されることが多いです。
腹部の4〜6か所の穴はどれも小さく、
傷口の治癒が早いこと、
開腹手術の場合よりも
周囲の組織との癒着が少ないこと、
痛みが少なく早期に退院が可能であること
など、メリットが多いことが
特徴になります。
しかし、メリットばかりではなく
当然デメリットもあります。
腹腔鏡手術はカメラ越しに術野を
見ながら手術を行うため
高度な技術が必要です。
術野をしっかりと映し出す技術がないと、
卵巣嚢腫をとりきれなかったり、
縫合が不十分になってしまうこともあります。
また、予期せぬ出血が起きた場合、
直接出血点に触れたり目視することが
できないために出血点の特定が遅れたり、
縫合がうまくいかないことがあります。
このように腹腔鏡手術には高度な技術が
必要となるため、内視鏡専門医のいる
病院でしか行われていません。
そのため、近所の病院で必ずしも
腹腔鏡手術ができるとは限らないことも
デメリットとなります。
腹腔鏡手術の術後の痛みとは?
前述したように、腹腔鏡手術は
傷跡が小さいため痛みは少ないです。
しかし、全く痛みがないわけではなく、
体動時や腹圧をかけた時に
手術部位に痛みが現れることがあります。
手術して間もないころには痛みが比較的強く、
時間がたつにつれて
少しずつ治まってきます。
手術の後には、傷口の痛みを抑えるために
鎮痛剤の内服をします。
ロブやセレコックスという
名前の薬が鎮痛剤として使われ、
食後に定期処方されたり、
痛みが強い時のみとんぷくやくとして
使用したりします。
ロブは胃へ負担のかかる薬のため、
ファモチジンやレバミピドという
胃薬を一緒に内服することがあります。
手術後にはできるだけ早く歩いたり
トイレに行ったりして
手術部位の周囲の組織との
癒着を防止する必要があります。
痛いからと言ってずっと
ベッドに寝ているのはよくないので
鎮痛剤を内服してでもできるだけ
いつも通りに歩いたり
トイレに行ったりして日常生活に
慣れるようにしましょう。
このように、腹腔鏡手術は
比較的痛みが少ない術式ですが
痛みの感じ方は個人差があり様々です。
自分の痛みがどの程度なのか
正確に医師や看護師に伝えるようにしましょう。