卵巣嚢腫手術後の運動とは?
ここでは、「卵巣嚢腫手術後の運動」についてお話します。
卵巣嚢腫は、女性に多く見られる病気です。
卵巣にできる良性の腫瘍なので、
小さい場合には経過観察が
とられることがほとんどです。
しかし、大きくなった場合には
手術を受けることが多いです。
そんな卵巣嚢腫の手術後は、
退院後が気になるのではないでしょうか。
どの位の運動をしてよいのか、
どの位で普通の生活に戻れるのか、
知りたいですよね。
そこで今回は、卵巣嚢腫の
手術後の運動について紹介します。
入院中の運動
手術後、麻酔から覚めると医師から、
「快復を速めるために、出来る限り身体を動かすように」
と言われることが多いです。
具体的にどのような事をすれば良いかというと、
・寝返り
…寝返りや足を動かすことで、
腸の働きが良くなります。
昔は寝返りは打ってはいけない
と言われた事もありますが、
そんなことはありません。
どんどん寝返りを打っていきましょう。
・少しでも歩く
…排尿間が抜けたら、
トイレまで歩くようにしましょう。
点滴をしている場合は、点滴用の
ポールが杖の代わりになるので便利です。
抜糸や抜環した後は、
歩く範囲を広げましょう。
病院内を歩くと良いでしょう。
最初は動くと傷が痛みますが、
身体全体は楽になります。
また、排尿や排便でも痛みは
感じないので安心しましょう。
抜糸や抜環
(糸で縫わず、ホチキスのようなものでとめる)後は、
院内を歩いてもほとんど痛みは感じなくなります。
ただし、退院するまで出血が続くことがあります。
退院後一ヶ月の運動
退院後一ヶ月は、無理をしてはいけません。
ましてや開腹手術の場合は、
お腹を大きく切るので、
身体にかかる負担は予想以上に大きいです。
体力もかなり消耗してしまうので、
運動には注意が必要です。
具体的な注意点としては、
・下腹部に力が入らないように気をつける
…重いものを持ったり、布団の
上げ下ろしをしたりするのは避けましょう。
自転車やバイクに乗ると、振動が
直に下腹部にかかるので、一ヶ月は
やめておいた方が無難です。
これらは、医師の許可を
もらってからにしましょう。
・長時間、同じ姿勢をとらないようにする
…自動車の運転など、長時間同じ
姿勢をとるのは、一ヶ月はやめておきましょう。
退院一ヶ月後から、
少しずつ運転するようにしましょう。
長時間のドライブは、
2〜3ヶ月後からにしましょうね。
・ゆっくり散歩する
…退院後1週間くらいしたら、
できるだけ歩きましょう。
体力をつけるには、歩くことが一番です。
しかし、突然無理に
動き出すのは良くありません。
はじめは近所をお散歩するくらいにして、
少しずつ歩く範囲を広げていきましょう。
・軽いストレッチで身体をほぐす
…腕を回したり、開いたり、
入院中に硬くなった
上半身をほぐしましょう。
身体をひねったり、
無理な姿勢をとったり
しないように気をつけましょうね。
・出血や痛みがあった場合は、すぐ安静にする
…歩きすぎたり、走ったり、
うっかり重いものを持ったりすると、
出血したり痛みを感じたりします。
そんな時は、しばらく横になりましょう。
出血が止まらない時は、
すぐに医師に相談してくださいね!
仕事に復帰したり、普通の生活に
戻ったりするのは、退院後
1ヶ月が目安となります。
退院後半年の運動
退院後1ヶ月は、軽いスポーツを
始めてもいいでしょう。
ウォーキングやテニス、
ヨガなどを無理しない程度に
楽しみましょう。
水泳も良いのですが、
医師の許可を得てからにして下さい。
手術後はしばらく、お風呂に
入れずシャワーのみとなります。
2週間〜1ヶ月くらいで
入浴許可が出るので、水泳は
その頃から始めることができるでしょう。
ヨガをする時は、下腹部に
力が入らないように
気をつけて行いましょう。
下腹に力が入ると、
痛みを感じる事があります。
手術後半年くらいは、下腹部に
負担をかけないように注意しましょう。
ゴルフや登山などは、半年を
過ぎてからにして下さい。
特に登山は、かなりの体力が
いるスポーツで、下腹部に力がかかります。
重い装備を背負って歩くのも、
傷に良くありません。
医師に相談してからにすると良いでしょう。
またゴルフは、身体をひねる
運動なので、傷には良くありません。
ヨガでも身体をひねる
ポーズは避けてくださいね!
このように、卵巣嚢腫の手術後の運動は、
入院中から少しずつ身体を動かして
体力をつけるようにしましょうね。
しかし、無理は禁物です。
普通の生活に戻るのは一ヶ月を目安とし、
焦らずゆっくりと軽い
運動から始めていきましょう。
そして、医師と相談しながら
様々な運動を再開していくと良いでしょう。