卵巣嚢腫は自然治癒するの?
ここでは、「卵巣嚢腫は自然治癒するのか」
についてお話します。
卵巣嚢腫は自覚症状がほとんどなく、
握りこぶし大の大きさになるまで
生活にほとんど支障はきたさない
良性腫瘍とされています。
嚢腫が大きくなっていて
痛みや下腹部膨満が顕著な場合には
手術での摘出をする場合がありますが
稀に自然治癒する場合もあります。
今回は卵巣嚢腫の
自然治癒についてご紹介します。
卵巣嚢腫の基本的な治療とは?
まずは卵巣嚢腫の基本的な治療について
知っておきましょう。
卵巣嚢腫は基本的には外科的治療、
つまりは手術で嚢胞を
摘出することによって治療します。
手術のために入院し、
術後の傷の状態を見ながら
感染症などの合併症が
起きないよう経過観察して
問題なければ退院となります。
手術の方法もさまざまで、
嚢胞の大きさや
患者の年齢などによって
摘出部位や方法が異なってきます。
卵巣には女性ホルモンを
分泌する働きもあるため
卵巣を摘出しなければならない場合には
ホルモンの分泌の変化による
体の不調に対応するために
ホルモン治療が行われる場合もあります。
自然治癒することはあるのか?
自然治癒、というよりは
「症状を抑えるために
嚢腫の拡大を防ぐ方法」
と言った方が正しく
伝わりやすいかと思います。
今までと同じ生活をしていては
自然治癒は難しく、
手術をしない場合には
生活習慣の見直しと内服治療が
必要になります。
卵巣嚢腫の原因はまだ
はっきりと解明されていませんが
卵巣から分泌されている
女性ホルモンの影響で
発生するのではないか
と考えられています。
ホルモンバランスの崩れが
卵巣嚢腫の発生や
拡大につながっているのなら、
ホルモンバランスを乱さないような
生活を心がけることが大切になります。
つまり、卵巣嚢腫の自然治癒とは
生活習慣を整えることで卵巣嚢腫の
成長を抑制し、症状がでないような
状態を保つことだと言えます。
一度できてしまった嚢腫は
自然消失することはなく、
成長を抑制することで
症状を抑えていくことは可能です。
ですが、拡大を抑えるのはとても難しく、
何らかの拍子に急激に成長を始める
というケースも珍しくはありません。
手術をせずに経過をみるという
選択ができるのは、
卵巣嚢腫の大きさが
7センチ未満までです。
それ以上は手術をしなくてはいけません。
卵巣嚢腫が小さい場合には
早寝早起き、バランスの取れた食生活、
適度な運動などといった
基本的な生活習慣に十分に
気をつける必要があります。
医師や栄養士と相談した内容の
食事療法で嚢腫の拡大を
抑えている人もいます。
腫瘍が小さく経過観察となった場合には
日常生活で気を付けることや
食事内容の見直しについて
医師に相談しましょう。
このように、一度できた
卵巣嚢腫は消失することは
ほぼありません。
「自然治癒」
という言葉は症状を出さずに
上手に嚢腫と一緒に
生きていく方法という意味です。
経過観察してもよい大きさなのか
手術が必要な状態なのか判断するのは
専門家である医師です。
症状がまだないからといって
受診をしないのは危険なので
婦人科の定期検診を受けたり
症状があるときには
早めに受診するようにしましょう。