卵巣嚢腫の再発で手術する時とは?

スポンサーリンク

ここでは、「卵巣嚢腫の再発で手術する時」
についてお話します。

 

卵巣嚢腫は手術で治療をしても
再発してしまうことがあります。

 

今回は卵巣嚢腫が再発して、
その治療のために

 

手術が必要となった
場合についてご紹介します。

 

卵巣嚢腫の再発とは

 

卵巣は子宮にぶら下がるようにして
くっついており、
左右に1つずつ存在します。

 

通常、卵巣嚢腫はどちらか片方に発症し、
両方同時に発症することは非常にまれです。

 

もし両方の卵巣に同時に卵巣嚢腫が発症しても
1度の手術で同時に摘出することは
ほとんどありません。

 

1度に両方摘出してしまうと
急激にホルモンバランスが

 

変化してしまうために体にとっては
大きな負担となるからです。

 

通常は1つずつ手術することになります。

 

ですから、手術をしても残ったほうの卵巣が
女性ホルモンの生成や妊娠機能などを担い、
きちんと働きます。

 

卵巣嚢腫の手術では嚢腫の
部分のみ摘出する方法と
卵巣そのものを摘出する方法があります。

 

嚢腫の部分のみの摘出の場合も、
卵巣そのものを摘出した場合にも、

 

卵巣がどちらか片方残されている限りは
卵巣嚢腫が再発する可能性はあります。

 

再発しやすい種類の卵巣嚢腫とは

 

卵巣嚢腫にはいくつか種類があり、
種類によって再発のしやすさが
異なってきます。

 

・漿液性嚢腫

 

漿液性嚢腫とは嚢腫の中に
さらさらとして液体が貯留する
タイプの卵巣嚢腫です。

 

卵巣嚢腫の中では最も多いタイプで
約25%を占めます。

 

縮小することは少なく、
10センチくらいの大きさに
なることもあります。

 

漿液性嚢腫は手術で嚢腫部分のみを
摘出した場合、10%ほどの確率で
再発します。

 

再発までの期間には個人差がありますが、
短い人だと術後2か月ほど、
一般的には4〜5年程度で再発します。

 

・粘液性嚢腫

 

嚢腫の中にねばねばとした
粘液が溜まるタイプの卵巣嚢腫です。

 

巨大化しやすく、卵巣についている
靭帯がねじれる茎捻転を
起こしやすいタイプの卵巣嚢腫です。

 

お腹の中で嚢胞が破裂すると
腹膜炎を起こしてしまうこともあり
とても危険です。

 

粘液性嚢腫も漿液性嚢腫と同じく、
嚢腫のみを摘出した場合には
10%ほどに再発が見られます。

スポンサーリンク

・皮様嚢腫

 

皮様嚢腫とは嚢腫の中に髪の毛や骨、
歯や皮膚など未成熟な組織が溜まる
タイプの卵巣嚢腫です。

 

成長速度は非常に遅いのですが、
高齢になってから発見されると
悪性化している場合もありますので

 

発見したらすみやかに
摘出することがすすめられます。

 

嚢腫をきれいに摘出した場合には
再発の可能性は極めて低いのですが、
取り残しがあると再発する可能性があります。

 

再発の可能性は比較的低いです。

 

・チョコレート嚢腫

 

チョコレート嚢腫とは子宮内膜症が
卵巣内にできてしまった状態です。

 

そもそも子宮内膜症とは、
子宮内膜が子宮以外の場所にできてしまい、

 

生理の周期になると子宮内にある
子宮内膜と同じように出血を起こし、

 

生理周期が終わると子宮内の
子宮内膜と同じように止血成分が
分泌されて止血するというものです。

 

しかし、子宮外にできた子宮内膜は
出血しても血液を体外に出すことが

 

できないためどんどん血液が
貯留していきます。

 

こうして卵巣内にできた
子宮内膜症により血液が貯留して
固まったものをチョコレート嚢腫と言います。

 

チョコレート嚢腫は
生理がくるたびに少しずつ巨大化します。

 

再発の可能性は他の卵巣嚢腫と
比較して極めて高く、

 

嚢腫だけを摘出した場合の
30%に再発が見られます。

 

再発リスクが高い原因としては
チョコレート嚢腫はエストロゲン
という女性ホルモンの分泌が関連しており、

 

エストロゲン分泌が過剰になると
子宮内膜症が悪化するために
再発してしまう可能性が高いのです。

 

チョコレート嚢腫の手術をした後には
再発を防ぐためにピルを内服して

 

女性ホルモンの分泌を
抑えるという治療を行うことがあります。

 

しかし、妊娠を希望する場合には
ピルの内服ができないため、

 

どうしても再発の可能性が
高くなってしまいます。

 

卵巣は女性にとって大切な器官であるために
もともと2つ存在しています。

 

ホルモン分泌や妊娠のことを考えると
2つあるのは安心ですが、

 

卵巣嚢腫の再発の可能性を考えると
心配ですよね。

 

手術で治療したからと言って
再発しないわけではありません。

 

定期的な受診を欠かさないようにしましょう。

スポンサーリンク