卵巣嚢腫が再発の原因とは?
ここでは、「卵巣嚢腫が再発の原因」
についてお話します。
卵巣嚢腫にはさまざまな種類がありますが、
どのタイプの卵巣嚢腫も治療の基本は
手術での摘出になります。
しかし、手術で摘出したからといって
安心することはできません。
時に卵巣嚢腫は再発することがあります。
今回は卵巣嚢腫が
再発する原因についてご紹介します。
卵巣嚢腫ができる原因とは?
そもそも、卵巣嚢腫が
発症する原因とは何なのでしょうか。
実は卵巣嚢腫には未解明な部分が多く、
種類によってはなぜ発症するのか
わからないものもあります。
・漿液性嚢腫
漿液性嚢腫とは嚢腫の中身が
さらさらとした液体で、
卵巣嚢腫全体の25%を
占めるタイプの卵巣嚢腫です。
漿液性嚢腫は水分代謝が
うまくできない人に多く発症していると
言われていますが、
詳しい原因は未解明です。
・粘液性嚢腫
粘液性嚢腫とは、嚢腫の中に
ねばねばとした液体が溜まるタイプの
卵巣嚢腫で、巨大化することがあります。
こちらも詳しい原因はわかっていません。
・皮様嚢腫
皮様嚢腫は嚢腫の中に爪や皮脂、
骨や歯などの未成熟な
組織が入っている卵巣嚢腫です。
皮様嚢腫は10代から高齢者にまで
幅広い年齢層に見られる卵巣嚢腫です。
皮様嚢腫は生殖細胞が卵巣内で
異常に細胞分裂をはじめ、
中途半端に成熟することで
できてしまう卵巣嚢腫です。
精子と受精していない卵子が
単独で増殖することで発症すると
言われていますが、
正確な原因は未解明です。
・チョコレート嚢腫
チョコレート嚢腫とは
子宮内膜症に由来する卵巣嚢腫です。
子宮内膜症とは、子宮以外の場所に
子宮内膜細胞ができてしまうことで、
チョコレート嚢腫の場合には、
子宮内膜細胞が卵巣内に
できてしまっている状態になります。
卵巣内にできた子宮内膜細胞は、
毎月の生理のたびに子宮内の子宮内膜と
同じように出血し、
やがて卵巣内に血液が
たまっていくとチョコレート嚢腫となります。
子宮内膜細胞が卵巣内にできる
原因としては、子宮内膜が卵巣内に
逆流することが原因と考えられていますが
詳しい原因は不明です。
卵巣嚢腫の再発の原因は?
卵巣嚢腫の再発の原因は主に2つです。
・治療が不十分な場合
手術をして卵巣嚢腫を摘出したとします。
卵巣嚢腫の手術には卵巣そのものを
摘出する場合と嚢腫部分のみを
摘出する場合があります。
卵巣そのものを摘出した場合には、
もう片方の卵巣に
卵巣嚢腫ができる可能性はありますが、
もともと嚢腫があったほうの
卵巣は摘出してしまっているので
反対側の卵巣に嚢腫ができても、
治療方法とは別の原因が
あると考えられます。
しかし、嚢腫部分のみの
摘出をした場合には、
摘出が不十分だった
という可能性も考えられます。
摘出が不十分になりやすいのは
腹腔鏡手術の場合で、
視野が限られており、
病変部を直接手で触れる
ことができないことから
嚢腫の取り残しが
起こりやすいとされています。
チョコレート嚢腫や粘液嚢腫の場合、
取り残しがあると、残された
嚢腫部分が巨大化することがあり、
手術後に再発してしまうことがあります。
皮様嚢腫や漿液性嚢腫は
成長速度が遅いため、
急激に大きくなることはありませんが、
こちらも取り残しがあると
再発することがあります。
・治療したほうと反対側に
また卵巣嚢腫ができることもある
片方の卵巣嚢腫を治療しても、
もう片方の卵巣に嚢腫が
できてしまうこともあります。
漿液性嚢腫や粘液性嚢腫は
ストレスや生活習慣と関連している
という説もあり、
生活習慣が変わらずに不規則であると、
片方の嚢腫を治療しても
反対側に再発することがあります。
また、皮様嚢腫を治療した人は、
同じような嚢腫を作りやすく、
反対側の卵巣にも皮様嚢腫が
できてしまう場合もあります。
・チョコレート嚢腫は再発しやすい
卵巣嚢腫の中で一番再発
しやすいのはチョコレート嚢腫です。
チョコレート嚢腫の発生は
女性ホルモンの分泌と関連しており、
一度チョコレート嚢腫を摘出した人で
妊娠を希望しない場合にはピルを使って
卵巣の働きを抑えて再発を
予防する治療が行われます。
しかし、妊娠を望む人やピルを
使わない人はどうしても
女性ホルモンの働きが
活発になるためにチョコレート嚢胞が
再発しやすいとされています。
また、生理の際にタンポンを使う人は、
生理の際にはがれた子宮内膜が逆流しやすく、
チョコレート嚢腫が
再発しやすいと言われています。
このように、卵巣嚢腫は治療をして
完治したといわれたあとでも
再発する可能性がある病気です。
治療後も定期的に検診をうけることで
早期発見、早期対処につながるため、
手術のあとでも気を抜かずにきちんと
検査に行くようにしましょう。