卵巣嚢腫で生理がこない時とは?
ここでは、「卵巣嚢腫で生理がこない時」
についてお話します。
卵巣嚢腫は卵巣の機能に
さまざまな不調をきたします。
その不調の一種に生理の周期が乱れたり、
生理がこなくなるといった
生理のトラブルがあります。
今回は卵巣嚢腫になり、
生理がこなくなってしまった
場合についてご紹介します。
卵巣嚢腫になると生理が
こなくなってしまうのはどうして?
卵巣には卵子を作る働きの他に、
女性ホルモンを分泌させる働きがあります。
女性ホルモンとはエストロゲンと
プロゲステロンのことで、
この2種類のホルモンは生理を
発生させるのに必要なホルモンです。
卵巣嚢腫になると卵巣の機能が低下し、
これらのホルモンの分泌が
うまくできなくなります。
そのため生理周期が乱れたり、
生理がこなくなるということが起こります。
生理がこなくなってしまうのは
術前だけではありません。
卵巣嚢腫の手術では嚢腫のみを
摘出する方法と卵巣そのものを
摘出する方法とがありますが、
そのどちらの場合にも手術後に
生理がこなくなってしまったという
事例は存在します。
手術後に生理がこなくなるのは、
手術によって正常な卵巣の部分も
少しは摘出していますので
ホルモンを作る機能が
低下してしまうことがあるからです。
もちろん、すべての場合で
生理がこなくなるわけではありません。
手術前には定期的に生理がきていたのに、
こなくなってしまったという人もいます。
卵巣の手術にはこのように様々な
リスクを伴いますが、手術しないほうが
大変なことになってしまいます。
卵巣嚢腫の治療によって生理が
こなくなってしまった場合には
状態に応じて対策をきちんととることで
生理がくるようになる場合があります。
生理がこない場合には
どうしたらいいのか?
通常は卵巣の手術をしても、
もとの周期通りに生理がきます。
しかし、1〜2か月以上たっても
生理がこない場合には受診時に
相談する必要があります。
生理がこない原因は前述した通り
ホルモン分泌の乱れが原因ですので、
ホルモン治療を勧めていく場合があります。
ホルモン治療とは足りない
ホルモンを補うための治療になり、
経口薬でのホルモン補充や
貼り薬での補充など様々な方法があります。
このようなホルモン剤は
婦人科医による処方のもと、
体調をしっかりと管理しながら
量の調整が必要なため、
定期的な受診が必要になります。
ホルモン療法がうまくいけば
また元通りに生理がくるようになり、
妊娠することも可能です。
生理がこなくなる場合とは
卵巣嚢腫が両側にできてしまい、
長い時間をかけて両方とも摘出した
場合には生理はこなくなります。
若い患者の場合には妊娠のことを考え、
できるだけ卵巣の正常な部分は
残すようにして摘出しますが、
患者が40代以上の高齢の場合、
卵巣嚢腫は悪性化しやすいとされています。
そのため、40代以上の患者で
妊娠を望まない場合には卵巣嚢腫に
なった卵巣は摘出することが多いのです。
両側の卵巣を一度に摘出
することはありませんが、
片方の卵巣を摘出したあとに反対側の
卵巣にも嚢腫ができた場合などは
両側とも卵巣を摘出する場合があります。
卵巣がなくなると生理を起こすことが
できなくなるので、生理はきません。
このように、卵巣嚢腫が原因で生理がこない、
という症状は、よくあることなのです。
卵巣は妊娠のために重要な臓器であり、
生理を起こすための
ホルモンも分泌しています。
卵巣嚢腫になると卵巣の機能不全が起こり、
手術で治療をすることで生理が
こなくなってしまう場合もあります。
しかし、卵巣嚢腫の治療をせずに
放置している方が妊娠の妨げになったり
悪性化して命にかかわることもあります。
治療を始める際にどんなリスクがあるのか
医師にきちんと確認しておきましょう。