卵巣嚢腫で腹水が貯まった時とは?

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ここでは、「卵巣嚢腫で腹水が貯まった時」
についてお話します。

 

卵巣嚢腫が大きくなると
さまざまな症状が起こります。

 

大きさや嚢腫の種類にもよりますが、
腹水が溜まってしまう場合もあり、
放置しておくと非常に危険です。

 

今回は卵巣嚢腫と
腹水の関係についてご紹介します。

 

腹水とは?

 

お腹には肝臓や胃、腸など
たくさんの内臓が存在します。

 

それらの臓器は腹膜と
呼ばれる大きな膜でおおわれており、

 

腹膜の内側には臓器同士が
摩擦を起こさないような
腹腔と呼ばれる隙間が空いています。

 

腹腔にはもともと
20〜50mlの水分が溜まっています。

 

ところが、病気になるとその腹腔内の
水が異常に増加してしまいます。

 

このように異常に増加した
腹腔内の水を腹水と呼びます。

 

腹水が溜まると

 

腹水が少量の場合には
自覚症状はありません。

 

しかし、1000ml以上貯留すると
下腹部の膨満によって衣類が

 

入らなくなったり、体重が
増加することがあります。

 

また、周囲の臓器が
圧迫されることによる食欲不振、

 

吐き気、呼吸困難感
などさまざまな症状が現れます。

 

さらに貯留すると血行不良を引き起こし、
冷えや易疲労感、倦怠感や全身のむくみ、

 

栄養不良などの
全身状態悪化につながります。

 

腹水が溜まった時には

 

腹水がたまると安静な状態を保ちながら
利尿剤などを使って
体内の水分を排泄します。

 

塩分を控えた食事を基本とした
食事制限も必要になります。

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卵巣嚢腫と腹水の関係は?

 

卵巣嚢腫で症例が多いものとしては
チョコレート嚢腫や漿液性嚢腫、

 

粘液性嚢腫など嚢腫の中身が液体である
ものがあげられます。

 

卵巣腫瘍のなかで、
中身が液体ではない腫瘍

 

つまり充実性腫瘍は悪性である場合が
多いのですが、充実性腫瘍の中にも
良性腫瘍が存在します。

 

良性の充実性腫瘍に卵巣繊維腫という
卵巣嚢腫があります。

 

卵巣がんや子宮がんなどでは
がん細胞の影響により
腹水の貯留がみられる症例が多いです。

 

しかし、悪性腫瘍以外でも
腹水がみられるのが
この卵巣繊維腫です。

 

非常に珍しい症例ではありますが、
良性腫瘍である卵巣繊維腫の場合にも

 

卵巣がんの場合と同じように
腹水や胸水が貯留する

 

「メイグス症候群」

 

と呼ばれる状態に
なってしまうことがあります。

 

卵巣繊維腫は多くの場合、
片側のみに発生し、嚢腫の中身は

 

繊維性の充実した
しこりのようなものです。

 

多量の腹水を伴うことが
卵巣繊維腫の特徴であり、
治療は外科的手術が主流です。

 

なぜ良性腫瘍で腹水がたまるのか、
メイグス症候群についての研究は
まだまだ未解明なことが多いです。

 

しかし、手術で卵巣嚢腫を摘出すると
急速に腹水や胸水が消失することが
わかっています。

 

このように、腹水を放置すると
周囲の臓器にも影響を及ぼし、

 

食欲不振による栄養状態の悪化など
全身状態の悪化につながってしまいます。

 

腹水を起こしやすい卵巣繊維腫の
場合だけではなく

 

腹部の異常な膨満がある場合には
早めに受診しましょう。

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