婦人科で卵巣嚢腫検査とは?
ここでは、「婦人科で卵巣嚢腫検査」
についてお話します。
婦人科あるいは産婦人科は、
女性のための専門診療科です。
妊娠・出産を扱う医療機関
というイメージを持つ女性が多い
ですが、それだけではありません。
女性の体は、女性ホルモンの
影響をうけて年齢とともに
変化していきます。
その変化をみて、女性特有の
病気や症状の治療や改善に
あたります。
ですが、婦人科・産婦人科は
行きづらい、恥ずかしいと
思う女性も少なくないでしょう。
その理由に内診があります。
しかし、内診は病気を診断するのに
とても重要な診断方法です。
内診で、体のどこで異常が
起きているか、卵巣嚢腫や
子宮内膜症など病気を
発見することができます。
今回は、婦人科で行う
卵巣嚢腫の検査についてご紹介します。
婦人科での問診
婦人科を受診した場合、
まずはどのような状態なのかを
知るため、問診から始まります。
病院によって多少異なりますが、
だいたい次のような
内容を聞かれます。
答えにくい質問も
あるかもしれませんが、
正確な診断や治療のために
必要なことですので、
正確に答えるようにしましょう。
・来院の動機
どんな症状がいつごろから
あるか伝えましょう。
・月経についての情報
初経の年齢、月経周期、最終月経日、
月経出血量がどのくらいなのか
などです。
・妊娠・出産経験の有無
妊娠・出産の有無により
考えられる病気が変わってきます。
現在妊娠中か、妊娠の希望が
あるかなどを聞かれることもあります。
・妊娠中絶や流産の有無
以前の妊娠中絶や流産の
処置が現在の不調に
影響していることが
考えられるため確認されます。
・今までにかかった婦人科の病気、
婦人科以外の病気、
現在治療中の病気
婦人科以外の病院でも、
初診のときには必ず聞かれる質問です。
あらかじめ、自分の昔の病名や
他の病院にかかっている病気について、
整理しておくとよいでしょう。
・現在服用中の薬
診察後に処方される薬との
併用で考えられる
副作用を避けるために、
服用中の薬がある場合には
その名称を伝えましょう。
お薬手帳を準備しておくと、
忘れずに伝えられますのでよいでしょう。
・アレルギーの有無
アレルギー体質なのかどうかは
診療のうえでとても
大切な情報になります。
病気の中には、
アレルギーによって
起きる病気もあるからです。
また、多くの薬が
アレルギーの副作用を
起こすことがあるため、
処方されるときに必ず聞かれます。
・日常の状態、家族の病歴
生活習慣、食事、喫煙や
どのくらいの頻度で
飲酒するかなどを質問されます。
また、病気の中には遺伝的な
体質が影響しているものもありますので、
家族の中にがんや、高血圧症、
糖尿病などの病歴がないか確認されます。
婦人科での内診
内診は、婦人科の基本的な
検査でとても大事なものです。
外陰部や膣、子宮、卵巣の異常や、
不正出血がどこで起きているかなど、
多くのことがわかります。
卵巣嚢腫の場合、卵巣の位置や大きさ、
かたさなどをみます。
卵巣嚢腫、充実性腫瘍
などをチェックします。
内診には視診と触診があります。
・視診
外陰部に炎症などがないか
目で確認したあと、
膣内に器具を入れて、
膣内と子宮の入り口の状態を調べます。
また、検査の必要に応じて、
おりものや細胞などを採取します。
・触診
医師が指を膣内に入れ、
もう片方の手をおなかの上に置いて、
子宮や卵巣の状態を調べます。
また、内診のかわりに
肛門から子宮や卵巣を調べる直腸診や
超音波検査が行われる場合もあります。
内診は2〜3分ほどで終わります。
体に力が入ってしまうと内診時
痛みを感じ、医師も
診断がしづらくなります。
できるだけ全身を
リラックスさせることが大切です。
婦人科での主な検査
婦人科での卵巣嚢腫の検査は
以下のようなものです。
・超音波検査
からだに超音波をあて、
エコーを画像化して卵巣の大きさや
中の状態などを確認します。
また、子宮筋腫や子宮内膜の異常、
妊娠の有無などがわかります。
・腫瘍マーカー(血液検査)
卵巣嚢腫の腫瘍が、
良性か悪性かを見分けるために
腫瘍マーカーを調べます。
腫瘍マーカーとは、
がん細胞が分裂する特異物質です。
がんが発生すると、
血液中の腫瘍マーカーの
値が高くなります。
・MRI検査、CT検査
からだのいろいろな部分の状態を、
あらゆる角度から画像として
映し出します。
卵巣嚢腫、卵巣がん、
子宮内膜症などの場合に行われます。
病気がどの位置にどのような
状態で起こっているか、
ほかの臓器との
位置関係が詳しくわかります。
その他にも、婦人科で
行われる主な検査があります。
・尿検査
妊娠判定のほか、ホルモン分泌や
排卵日の調査、細菌の有無、
感染症などを調べます。
・おりもの検査
おりものの異常、外陰部の
痛みやかゆみがある場合に行います。
・細胞診
子宮がんや子宮内膜の検査、
不妊の原因調査でも用いられます。
・膣拡大鏡検査
双眼鏡のような装置で、肉眼で
見えない微細な病変を直接調べます。
・子宮鏡検査
胃カメラのような子宮鏡を
子宮に入れ、病変の
様子を詳しく見ます。
どんな検査をするかは、
病気や症状により異なりますが、
いくつかの検査を
組み合わせて総合的に判断します。
このように、婦人科・産婦人科を
上手に受診することにより、
卵巣嚢腫など女性特有の病気を
知ることができます。
なんらかの不調や異常を感じたら、
もっと気軽に婦人科を受診しましょう。
女性の大切な部分を
診てもらう病院ですから、
信頼でき、相談しやすい、
かかりつけの医師を
つくっておくと安心ですね。