卵巣嚢腫エコー検査とは?
ここでは、「卵巣嚢腫エコー検査」
についてお話します。
卵巣嚢腫は症状が出にくく、
妊娠時の検査やたまたま受けた
婦人科検診などの
ときに偶然発見される
というケースが多いです。
卵巣嚢腫という診断をつけるには
いくつかの検査が必要になりますが、
その検査の中でもほとんどの
病院で行われているのが
エコー検査です。
今回は卵巣嚢腫のときの
エコー検査についてご紹介します。
エコー検査とはどんな検査なのか?
エコーとは日本語に
直すと超音波のことです。
エコー検査では調べたい部位に
超音波を当ててその反射を
映像化することによって
その部位の内部の状態を
知ることができる検査です。
超音波とは人間の耳には
聞こえない高い音のことで、
周波数の高い超音波では
物を破壊するまでの
力があるとされますが
検査に使われる超音波は
人体に害のないものです。
つまり、レントゲンやCTなどは
放射線被ばくがありますが
エコー検査だと、人体に無害なので
妊娠している場合でも
お腹の中の赤ちゃんには害はありません。
エコー検査でわかることとは?
エコー検査は婦人科の
検査の基本とも言われており、
婦人科系疾患を疑う時には
ほとんどの場合
エコー検査が必要になります。
・子宮や卵巣の位置、大きさ
・妊娠の有無
・子宮筋腫や卵巣腫瘍の有無
・子宮内膜症などの子宮内膜の異常
・卵巣腫瘍の種類
・子宮周囲の腹水の有無
・排卵の予想
などたくさんのことがわかります。
エコー検査のメリット、デメリットとは?
エコー検査にはメリットが多いですが、
もちろんデメリットもあります。
・メリット
エコー検査は検査したい部位に
エコーゼリーという
透明なゼリーを塗ります。
冷たい感覚はありますが、
痛みが全くなく、苦痛が少ないです。
また、機械を当てるだけで
わかる項目がたくさんあり、
短時間でたくさんの情報が得られます。
得られる情報量は多いですが、
CTやMRIなどの
放射線検査に比べると
費用がかなり安いです。
エコーの機械が小さくて安いので、
検査にかかる費用も安くなっています。
・デメリット
エコー検査は検査を実施する人
によって検査の精度が大きく
変化してきます。
上手な人が検査をすれば上手に
エコーを当てることができるので
画面に映しだされる
画像もきれいに映っています。
そのため上手な人が検査すると
たくさんのことがわかります。
しかし、経験の少ない人が
エコー検査をすると
重要な部分を見落としたり、
きれいな画像が
得られないこともあります。
また、普通体系の人は超音波が
通りやすくきれいに映し出すことが
できますが、
太った人や胃腸に空気の多い人、
お腹の手術をしたことがある人は
きれいにエコーを移すことが難しいです。
卵巣嚢腫の診断はエコー検査では何をみるの?
卵巣嚢腫は良性の卵巣腫瘍です。
卵巣腫瘍のエコー検査では
・腫瘍の嚢が単房性か多房性か
・腫瘍の壁内に均一でない部分
あるいは突出部分は存在するか
・腫瘍の隔壁に不均一な部分
あるいは液体ではなく組織である
充実性部分が存在するか
・充実性部分の閉める割合はどれくらいか
・腫瘍の輪郭が明瞭か不明瞭か
といった部分を観察します。
これらの観察をすることで、
卵巣の腫瘍が良性(卵巣嚢腫など)
であるか悪性の腫瘍なのか判断します。
良性であると判断するには
嚢腫の中身が何であるのか
見る必要がありますが、
それもエコー検査で
見ることができます。
エコー検査のみで診断を付けることは
ほとんどなく、血液検査で
腫瘍マーカーの値を見て、
CTやMRIなどの放射線検査などを
組み合わせて診断をつけますが
だいたいのことはエコー検査で
ほとんどわかっています。
このようにエコー検査は
卵巣嚢腫の診断に非常に重要な
役割を担っています。
「婦人科疾患の検査の基本はエコー検査」
と言われる理由がわかるくらい
たくさんの情報を
得ることができます。
痛みがほぼない検査なので安心して
受けられますね。