卵巣嚢腫の原因と髪の毛や歯が含まれる理由とは？
ここでは、「卵巣嚢腫の原因と髪の毛や歯が含まれる理由」
についてお話します。
女性特有の病気である卵巣嚢腫ですが、
卵巣嚢腫の中にも種類があります。
嚢腫の中に含まれる物質によって
分類されますが、その中に髪の毛を
含む卵巣嚢腫があります。
今回は髪の毛を含む卵巣嚢腫について
ご紹介します。
卵巣嚢腫の種類とは？
・漿液性嚢腫
卵巣嚢腫の中で最も多くの割合を占める
漿液性嚢腫は、その名のとおり嚢腫の中に
漿液が含まれています。
漿液性嚢腫は漿液という透明な液体を含み、
ほとんどの場合が袋がひとつの単房性であり
２つある卵巣の片側にのみ存在します。
・粘液性嚢腫
粘液性嚢腫は中にねばねばした液体を含み、
袋がたくさんある多房性の嚢腫がほとんどです。
粘液性嚢腫は
どんどん大きく成長し、時には
５ｋｇを超える嚢腫に成長することもあります。
・皮様嚢腫（成熟嚢胞性奇形腫）
今回ご紹介するテーマの
髪の毛を含むことがある
卵巣嚢腫が、この皮様嚢腫です。
皮様嚢腫は生殖細胞が分裂をするときに
中途半端なところまでしか
成熟しなかったことで
できる良性腫瘍です。
黄色の皮膚や髪の毛を含むことが多いです。
成熟した奇形の細胞を含み、
中身は液状であることから
「成熟嚢胞性奇形腫」
とも呼ばれています。
２０〜３０代の女性に多くみられ、
基本的には２つある卵巣のうちの
片方に発症します。
ですが１０〜２０％の割合で
両方の卵巣に発生します。
進行は遅く、初期症状はありません。
ですが嚢腫が成長していくにつれて
周囲の血管や臓器を圧迫し、
腹痛や腰痛などの症状が現れます。
また、大きくなった嚢腫を放置しておくと
卵巣が壊死してしまい、
生殖機能を失ってしまいます。
皮様嚢腫のうち１％が
癌化するといわれているため
早期の治療が必要になります。
皮様嚢腫ができる原因は？
それでは、皮様嚢腫ができる
原因について詳しくご紹介します。
皮様嚢腫ができる
原因については諸説あります。
・中途半端に成熟した卵子が嚢腫になる
卵巣では卵子が作られています。
作られた卵子が精子と出会って
受精すると受精卵となり、
やがて赤ちゃんとなります。
ですが、皮様嚢腫は卵胞内で
細胞分裂してしまった
卵子が中途半端に成熟することで、
中に髪の毛や皮脂、皮膚や歯、
骨などを含む皮様嚢腫と
なってしまうことがあります。
精子と受精していない卵子が
単独で増殖してしまうことで
作られるとされていますが、
はっきりとはわかっていません。
・経皮毒の影響
わたしたちの生活用品には
さまざまな添加物や化学薬品が
含まれています。
人体にとって有害な物質は食べ物ならば
消化管を通って排泄物として
体外に排出されます。
ですが、添加物や化学薬品が
含まれているのは
食品だけではありません。
ボディーソープやシャンプー、
食器洗い洗剤など、
数えればきりがないほどの
洗浄剤を私たちは肌で触れています。
その中には直接健康被害に
結びつきはしないものの
人体にとってはあまり
よくない物質も混ざっています。
皮膚に触れた有害物質は
体内に吸収されると
皮膚から入った毒、
つまり経皮毒となります。
経皮毒は体外への排出が難しく、
体内に貯留しやすいです。
体内に取り込まれた経皮毒は
血に溶けて体をめぐります。
その経皮毒が卵巣にたどり着き、
ホルモンに何らかの影響を与え、
嚢腫を形成します。
化学物質が影響して奇形細胞が生まれ、
髪の毛や歯などを含む皮様嚢腫
となる場合もあると考えられています。
このように皮様嚢腫内に
髪の毛が含まれる
原因については
はっきりとは解明されていません。
皮脂や髪の毛を含む嚢腫と聞くと
驚く方も多いですが、
手術できちんと治療できる嚢腫です。
悪性化する前にしっかりと治療しましょう。